NAG S.E.D.

株式会社 ナグ エスイーディー(NAG S.E.D.)
クランクケース内圧コントロールバルブ

NAG S.E.D.社が開発したクランクケース内圧コントロールバルブ(NAGバルブ)をルノー車に適切に取り付けるためのエマルション対策が施されたキットです。

ルーテシア(CLIO)R.S.用NAGバルブメガーヌⅢR.S.用NAGバルブカングー用NAGバルブ

 

車種 価格(税込・工賃別) 備考
ルーテシアⅢR.S. 39,900円 加工要※1
カングーⅠ(1.6) & Ⅱ 32,000円 加工要※2
メガーヌⅢR.S. 42,000円


※1 取り付けには、エアクリーナーボックスに穴開け加工が必要です。
※2 取り付けには、インレットマニホールドの脱着と、穴開け加工が必要です。
※3 NAGバルブを取り付けることにより、エンジンブレーキの効きが弱くなります。
※4 当キットのNAGバルブはエマルション対策が施されメンテフリーを実現していますが、使用オイルや環境によってスラッジ除去のために年1~2回の清掃が必要になることがあります。
※5 取り付けには、別途工賃が必要になります。

購入は、当店、当店ネットショップBoutique@CADONOまたは、ルノー四日市ルノーネクストワン徳島sifoBlue Cafeまで。

NAGバルブについて

  1. クランクケースの内圧を制御する理由
    図1常に上下動を繰り返すレシプロエンジンでは、ピストンの上下動によりクランクケース内の圧力が加圧⇔負圧と変動しています。この圧力の変動を吸収する為にクランクケースにはブリーザー穴が開けられており、ピストン下降とともに余剰圧力を排出し、上昇とともに外気を吸入します。このブリーザーによってクランクケース内が一定の気圧に保たれると考えられがちですが、実際にはピストンの上の燃焼室では絶えずガスが爆発を繰り返しピストンを押し下げています。この超高圧のガスがピストンリングのわずかな隙間を通り、クランクケースに流れ込んでしまいます。このガスをブローバイガスと呼びます。
    そして、ブリーザーによって一定の圧力に保たれるはずのケース内が、このブローバイガスによりクランクケース内の圧力が高止まりしてしまいます。この状態でピストンが下がろうとしても、ケース内の圧力がピストンが下る際の抵抗になりポンピングロス(=エンジンブレーキ)が発生します。ポンピングロス(=エンジンブレーキ)は、アクセルオフの際に感じることができますが、アクセルオフ時にのみ発生しているわけではなく、常に発生していてアクセルオンの状態ではその抵抗に逆らってエンジンを回しているに過ぎません。ポンピングロスにより出力の損失が生じている為、クランクケース内の圧力を減圧して損失を少なくすることが望ましいのです。

  2. 多気筒エンジンの内圧を下げることの効果
    偶数多気筒エンジンでは逆位相クランクになっていて、対になるピストンが上昇した時にもう一対のピストンが下降する為、クランクケースのエアボリュームはバランスが取れていると思われますが、超高速で上下動するピストンによるエアの移動は必ずしもそうなるとは言えません。
    なぜなら慣性力を持ったエアが狭い隙間をぬって移動する速度には限界があり、超高速で上下動するピストンの速度についていくことが出来ないからです。クランクケース内のエアが動かなければ多気筒エンジンといえども単気筒エンジンの集合同然であり、ポンピングロスが生じてしまいます。このことから、偶数多気筒エンジンでもクランクケース内を予め減圧しておくということは、レシプロエンジンの効率を高める上で効果があると考えられます。

  3. クランクケース内圧コントロールバルブ
    クランクケース内圧コントロールバルブ動作イメージNAG S.E.D.社が開発したクランクケース内の圧力を適正化するためにブリーザーホースに取り付けるワンウェイバルブです。構造は非常にシンプルで筒状のアルミボディの中に樹脂製のワンウェイバルブを設け、ブローバイガスを排出させるが、外気を吸入しないようにしてクランクケースを密封することで結果的に内圧を下げています。機械的・電気的動力を何ら用いず、クランクケース内に発生するブローバイガスの脈動のみを使ってバルブを作動させる為、摩擦係数の小さな素材を吟味し、軽量でかつ耐久性、耐熱性に優れたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を削りだしてスライドバルブとしています。バルブはあらゆる角度で確実に動作するよう設計されています。
    耐熱性、熱膨張率等を考慮するならボディと同じアルミで作るべきですが、摩擦抵抗がアルミに比べて桁違いに小さくなる樹脂バルブの選択は減圧効果を得る為には必然といえます。
    また、PCVバルブ装着車ではPCVが同じくワンウェイバルブとなっている為、同様の効果があるように思われがちですが、アイドリング時や低負荷時にはインテークに接続されたPCVから排出される一方、ブリーザーホースから新鮮な空気がクランクケース内に送り込まれています。高負荷時はインテーク内の圧力が高まりPCVバルブは閉じた状態となり、ブリーザーホースから排出されることになります。この状態は前述したⅠ、Ⅱと同じとなります。

  4. エマルション対策
    エマルション発生メカニズム
    ルーテシアⅢR.S.のノーマル状態でのエマルション
    (クリックで拡大します)
    通常、空気には水分が含まれています。当然エンジン内部にある空気にも水分が含まれていますが、これがエンジンの熱で温められてベイパーと呼ばれる水蒸気になります。水蒸気(vapor)ではありますが、湯気(steam)ではありません。これはサウナの中の水分を含んだ熱気のような物です。この水分を含んだ熱気が温度の低い場所で結露し、この水がブローバイガスに含まれるオイルミストと混じると反応を起こして乳白色の泡を生成し、さらに温度が冷えるとマーガリンのようなコテコテのエマルションになっていきます。
    結露はエンジンが冷えている時に始動すると発生します。この結露による水分はエンジンを温めると再び水蒸気となってエンジン外部に輩出されますが、水蒸気になる前にエンジンを止めてしまうチョイ乗りを繰り返すと水滴として徐々に溜まって行く事になります。
    エマルションはノーマル状態のエンジンでも発生しますが(右図)、内圧コントローラーはエマルションの出来やすい、温度の低いところに取り付けなくてはならない為、乳化が起こってエマルションが発生していないかチェックする必要が出てきます。
    そこで、NAG S.E.D.社のバルブは固着がおきにくい内部形状に加えて、エマルションの発生を抑える対策を施しています。 右図のようにバルブのエアボックス側に微量の空気を流す穴を開け、インテークに接続することで水蒸気が滞留せず、エマルションの発生を抑えることに成功しました。この空気の量は小さすぎると効果が無く、大きすぎると内圧コントローラーが負圧で動いてしまいます。以上の理由でインテークマニホールドに負圧パイプを取り付ける必要があることから、車種ごとのセッティングとアタッチメントを含めた専用キットを開発いたしました。劇的にエマルションの発生を抑えることが出来るこのエマルション対策内圧コントロールバルブキットはエマルションの除去作業が必要なく、メンテフリーを実現しています。

 

引用~NAG S.E.D.社ウェブサイト、及びBlue Cafeウェブサイトより~